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2025/06/10 相続の廃除と欠格
相続の廃除と欠格とは?
相続に関するトラブルを防ぐためには、「相続の廃除」と「相続欠格」について正しく理解しておくことが重要です。どちらも相続人の権利を失わせる制度ですが、その内容や手続きは大きく異なります。
この記事では、相続の廃除と欠格の違いや、それぞれが適用される具体的なケース、手続き方法まで詳しく解説します。
【相続の廃除とは
相続の廃除とは何か?
相続の廃除とは、被相続人(亡くなった人)が生前に、特定の法定相続人の相続権を失わせる制度です。主に、以下のようなケースで廃除が行われます。
・被相続人に対して虐待や重大な侮辱があった
・廃除の対象になる相続人
廃除の対象となるのは「遺留分を持つ推定相続人」に限られます。具体的には以下の通りです。
・配偶者
・子(またはその代襲相続人)
・直系尊属(父母など)
【廃除の手続き方法
被相続人は以下の方法で廃除を行います。
・家庭裁判所に申し立てる
死後に遺言執行者が家庭裁判所に請求する形で廃除が実現します。
【相続欠格とは
相続欠格とは何か?
相続欠格とは、法律により当然に相続権を失う制度です。これは被相続人の意思に関係なく、一定の重大な行為をした者が自動的に相続人の資格を失うことを意味します。
欠格事由(民法第891条)
相続欠格に該当する主な行為は以下の通りです。
故意に被相続人や他の相続人を殺害(または未遂)
詐欺や脅迫で遺言書を作成・変更・取消させた
遺言書を偽造・変造・破棄・隠匿した
【欠格の特徴
家庭裁判所の手続きは不要
法律上、自動的に相続権を失う
被相続人の意思とは無関係
【廃除・欠格があると代襲相続はどうなる?
相続人が廃除または欠格となった場合でも、その人に子ども(代襲相続人)がいれば、代襲相続が発生します。つまり、廃除や欠格された相続人の子が相続権を持つことになります。
【相続トラブルを防ぐには専門家への相談が重要
相続の廃除や欠格は、家族間の関係や財産分配に大きな影響を与える問題です。相続トラブルを未然に防ぐためには、司法書士や弁護士などの専門家に相談することが大切です。
また、不動産が含まれる相続では、相続登記や売却のタイミング、税金対策なども慎重な検討が必要です。
【まとめ:廃除と欠格を正しく理解して円満な相続を
相続の廃除は、被相続人の意思で特定の相続人を排除する制度
相続欠格は、法律により当然に相続権を失う制度
両者の理解不足は相続争いの原因になりかねない
相続の準備や対策を進める際は、正確な知識と専門家のサポートを活用しましょう。
