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2025/07/08 不動産を相続した際に必要な手続きの流れ
不動産を相続することになった場合、単に相続人のもとに不動産が自動的に移るわけではありません。法律上の手続きが必要であり、これを怠ると後々トラブルにつながる恐れもあります。ここでは、不動産を相続した際に必要となる基本的な手続きをわかりやすくご紹介します。
1. 相続人の確定と遺産内容の把握
最初に行うべきは、相続人が誰かを確定することです。これは民法に定められた「法定相続人」の範囲に従って判断されます。具体的には、被相続人(亡くなった方)の戸籍謄本を出生から死亡まで取り寄せ、相続関係を明らかにします。
次に、相続する財産の内容を把握します。不動産の他にも、預貯金や株式、負債があるかもしれません。これらの財産目録を作成することで、相続人同士の協議や手続きを円滑に進めることができます。不動産については、登記事項証明書(登記簿謄本)や固定資産税納税通知書などで詳細を確認します。
2. 遺産分割協議の実施
相続人が複数いる場合、どの不動産を誰が相続するかを決める必要があります。そのためには遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成します。この協議は、相続人全員の合意が必要で、1人でも欠けると無効となります。
協議の結果、不動産を誰が取得するのか、または売却して現金を分配するのかなどを決定します。協議がまとまらない場合は、家庭裁判所による調停や審判に発展することもありますので、早めに弁護士など専門家に相談するのが得策です。
3. 相続登記(名義変更)の手続き
遺産分割協議書に基づき、相続する不動産の名義変更(相続登記)を行います。これは法務局で手続きを行いますが、2024年4月からは相続登記が義務化され、相続を知ってから3年以内に登記しなければならなくなりました。違反すると10万円以下の過料が課される可能性があるため注意が必要です。
相続登記に必要な書類は以下の通りです:
・被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)
司法書士に依頼することで、スムーズに進められるケースも多いです。
4. 相続税の申告と納付
相続した財産が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合、相続税の申告と納付が必要になります。申告期限は、相続開始(被相続人の死亡)から10か月以内です。
たとえ相続税が発生しない場合でも、特例を使うには申告が必要なケースもあります。不動産の評価額は、路線価や固定資産税評価額を用いて算出しますが、評価が難しい場合は税理士に依頼するのがおすすめです。
5. 不動産の活用または売却の検討
名義変更が完了した後、その不動産をどのように活用するかを検討します。居住、賃貸、売却といった選択肢がありますが、それぞれに税金や管理コストがかかります。空き家をそのままにしておくと、固定資産税の住宅用地特例が外れる可能性があり、税額が大幅に上がることも。
また、売却を検討する場合は、相続登記が済んでいることが条件になります。売却時には譲渡所得税が発生する可能性もあり、取得費加算の特例や3,000万円控除の有無を事前に確認しておきましょう。
まとめ:専門家のサポートを受けながら正しく相続を進めましょう
不動産の相続には、多くの書類や法的な手続きが伴います。特に相続登記の義務化や相続税の申告などは、期限や要件を満たしていないと不利益につながるため、早めの対応が求められます。
不動産の相続が発生したら、まずは相続人の確定と財産の把握から始め、必要に応じて司法書士、税理士、弁護士といった専門家の力を借りながら、一つ一つ丁寧に手続きを進めましょう。
当社・八幡地所株式会社は相続鑑定人の不動産会社です。相続の事、不動産の事ならお気軽にご相談ください。
