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2025/07/15 相続が発生した直後にまずやるべき「3つの重要ステップ」
今回は、「相続が発生したら最初にやるべき3つのこと」をテーマにお届けいたします。
大切なご家族が亡くなられた後、喪失感の中で事務的な手続きを進めるのは大変なことです。しかし、相続には「期限」がある手続きも多く、放置しておくと大きな不利益に繋がることもあるのです。
そこで今回は、相続発生直後にとくに重要な3つのステップを解説いたします。
【ステップ1】死亡届と遺言書の確認
まず行うべきは、死亡届の提出です。これは法律上、死亡の事実を知った日から7日以内に行わなければならないと定められています。通常は葬儀社が手続きをサポートしてくれることも多く、提出先は故人の本籍地または死亡地、届出人の住所地の市区町村役所です。
そして死亡届の手続きと並行して確認しておきたいのが「遺言書の有無」です。
公正証書遺言の場合は公証役場での検索が可能ですが、自筆証書遺言の場合は、自宅の金庫、タンス、銀行の貸金庫などに保管されていることもあります。
自筆証書遺言が見つかった場合は勝手に開封せず、家庭裁判所で「検認」の手続きを受ける必要があります。検認をせずに内容を実行してしまうと、法的効力に問題が生じる可能性もあります。
【ステップ2】相続人の調査と財産の把握
次に行うのが、誰が相続人になるのかの確定と、相続財産の全体像の把握です。
相続人を確定するには、故人の戸籍謄本を出生から死亡まで通しで収集する必要があります。
「実は異母兄弟がいた」「前妻との間に子どもがいた」など、戸籍を辿らないとわからない相続人が存在することもあるため、しっかりとした確認が必要です。
また、相続財産の調査も同時に進めます。
ここでは、プラスの財産(預貯金、不動産、有価証券など)だけでなく、マイナスの財産(借金、未払い税金、保証債務など)も把握することが重要です。
財産の全体像が見えてくることで、「相続放棄」や「限定承認」といった選択肢を検討する材料にもなります。
財産調査のポイントは以下のとおりです。
通帳やキャッシュカード、証券などの確認
不動産登記簿謄本の取得(法務局)
借入金の契約書やローン明細の確認
保険証券や年金通知の確認
【ステップ3】相続方法の決定と相続放棄の検討
相続の方法には、単純承認・限定承認・相続放棄の3種類があります。
この選択は、相続の開始を知った日から3か月以内(熟慮期間)に行う必要があります。
特に注意が必要なのが、「借金などマイナスの財産が多い」場合です。この場合、相続放棄を検討することで相続人としての負担を回避することが可能です。
単純承認:プラスもマイナスもすべて相続する(何もしないとこの扱いになる)
限定承認:プラスの財産の範囲内で借金などを返済し、残りを相続する
相続放棄:一切の権利・義務を放棄する
放棄する場合は家庭裁判所への申立てが必要ですし、限定承認は相続人全員が共同で行う必要があるため、いずれの判断も慎重に進める必要があります。
このタイミングで税理士や司法書士などの専門家に相談するのも大変有効です。
まとめ:最初の3つを迅速・冷静に
相続は、感情的な混乱の中で始まりますが、最初の対応が後の流れを大きく左右します。
特に、遺言書の確認や相続人の特定、そして財産の把握と相続方法の選択は、法律的なトラブルを防ぐ重要なカギです。
いずれのステップにも期限やルールがあり、「知らなかった」では済まされない部分も多いため、困ったときは早めに専門家のサポートを受けることをおすすめします。
