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2026/02/10 不動産があると要注意!遺留分で実際に起きる相続トラブル

① 「家を継ぐ人」と「お金を求める人」で対立する現実

 

例えば、被相続人が「長男に自宅を相続させる」という遺言を残していたとします。

長男は親と同居し、介護も担ってきた。周囲も「家を守るのは長男だ」と自然に考えている。ところが相続が始まると、他の兄弟姉妹からこう言われます。

 

「気持ちは分かるけれど、私たちにも遺留分があるよね?」

 

これは法律上、まったく正当な主張です。

しかし、家を取得する側から見ると、住み続ける前提だった自宅に“多額の現金負担”が突然のしかかることになります。

 

預貯金が豊富なら支払えるかもしれません。ですが多くのケースでは、不動産が財産の大半を占めています。

するとどうなるか。

 

支払うためのお金が足りず、

貯金を取り崩す

借入を検討する

あるいは不動産の一部、もしくは全部を売却する

 

といった厳しい選択を迫られるのです。

 

「親の面倒を見てきたのは自分なのに」

「権利として当然の分を求めているだけ」

 

どちらも間違っていないからこそ、感情の溝は深くなります。これが、不動産絡みの遺留分トラブルが難航する最大の理由です。

 

② 不動産の評価額で揉め始めると、話は前に進まない

 

遺留分は財産の価値を基に計算します。

つまり、不動産がいくらなのかが極めて重要になります。

 

ところがここに、相続特有の落とし穴があります。

 

相続税評価額

 

固定資産税評価額

 

実際に市場で売れる価格

 

これらは同じではありません。むしろ差が出るのが普通です。

 

遺留分を請求する側は「高い評価」で計算したい。

支払う側は「できるだけ低い評価」に抑えたい。

 

結果として、

「その価格で売れるわけがない」

「いや、近所ではもっと高く取引されている」

といった主張がぶつかり合い、協議が止まってしまいます。

 

不動産会社の査定、鑑定士の評価、路線価…。

専門用語が増えるほど、当事者同士の疑心暗鬼は強まります。

 

最初は冷静だった話し合いが、

“誰の言っている価格が正しいのか”

という不信感に変わり、親族関係にひびが入っていく場面を数多く見てきました。

 

③ 最終的に「売るしかない」となったときの重い決断

 

話し合いがまとまらず、代償金の準備も難しい。

そうなると現実的な解決策として浮上するのが、不動産を売却して現金化する方法です。

 

ただしこれは、書類上の選択肢以上に重たい決断です。

 

何十年も暮らしてきた実家。

子どもの頃の思い出。

親が大切に守ってきた家。

 

それを手放すことに、割り切れない感情が生まれるのは当然です。

 

一方で、遺留分を請求している側も、

「自分だけが我慢するのは違う」

という想いがあります。

 

こうして、

売却に賛成する人

何としても残したい人

 

に分かれ、家族会議は平行線をたどります。

時間が経てば経つほど関係は悪化し、やがて連絡すら取りづらくなる…。これは決して珍しい話ではありません。

 

だからこそ重要なのは、感情が大きくなる前、初期の段階で現実的な落としどころを専門家と一緒に探すことです。

選択肢や数字が整理されるだけで、驚くほど冷静に話が進むケースもあります。

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